なごませ屋
私の主人の話。主人はいつもご機嫌である。ふふふーん、と鼻歌を歌い、私が険しい顔をしていると ツンツン、と肩をつついてきたり、満面の笑みで私を笑わせようとする。
それでもダメなら背中をさすってくれたりする。
その時私の中で何かが緩み、思わずクスッと笑ってしまうんだ。
険しい気持ちの時って、身体もとがっている感じ。ハリネズミみたいに身体に力が入って冷たくなっている。
人って本当は優しく穏やかにご機嫌でいたいのね。そうしていたら心はポカポカ温かい。
そんな主人に今日聞いてみた。「ねえ、こうなったら嬉しい、っていう出来事、真っ先に思いうかぶことって何?」
「目の前の人(たち)がクスって笑ってくれることだよ。笑ってくれたらこっちのもんだから」と笑って言う。
「爆笑じゃなくていいの?」ってきいたら、「僕は爆笑よりクスっとがいい。受け取るその人の心が勝手にそうなってしまう、そんな笑みが好きなんだ」。
クスって、相手の扉が少し開いた感じなんだって。 なんだか今日もいい天気!!